生きること

人間と、動物か機械か

授業の中で、生徒に「人間らしさとは」と尋ねることがあった。「理性的」とまとめられるような回答と、「感情的」とまとめられるような回答に分かれるだろうと想定したのだが、「やらなければいけないことをやらずに別のことをする」「欲望のまま行動する」…

文具放談

もう何年も前のことだが、学生の時分、教育実習に行った学校で、子どもたちがみんな、テープのりを使っていた。スティックのりはわずかに生き残っていたが、液体のり等を使う者は皆無であった。私などは、テープのりの存在は知っていたけれども、かつて、彗…

母と亡父の往復書簡、その文体と「打ち言葉」

実家に帰り、母と亡き父の残っている手紙を母が出してきて何枚か拝読した。「この手紙がつくのは三日頃だろうから、僕はまだ山にいるわけだ。信州の山は夜は冬みたいだそうです。」「航空券は早めに取ってください(君は少しのんびりだから)」などという文…

「学校の勉強だけで」「一つの参考書を完璧に」/複数の正解の困難

少なくとも公立の進学校の教員たちはよく、「学校の勉強だけで」難関大にも行けるのだと口にし、実際に、塾なんかには通わずしかも学校の教材だけで難関大に合格していく人もいて、恐ろしいことだと思っていたのだが、しかし自分で難関大の問題を解いている…

知識人と大衆のジレンマ

知識人と大衆の関係には、解決困難なジレンマが存在しているようだ。有り体に書いてしまえば、大衆に合わせていては知識人の高度な知的営為は困難だが、大衆を無視していては、やはり知的営為を維持することはできないというもので、このジレンマには様々な…

「先入観」について(小松理虔『新復興論』の「福島県産品」問題に関連して)

新復興論 (ゲンロン叢書) 作者:小松理虔 発売日: 2018/09/01 メディア: 単行本 先入観を持つことは良くないことだと気がついた。何とか先入観を持たず、誰とでも対等でありたいのだが、どうすればいいか——そのような問いに出会った。 「先入観」が良くない結…

東北から病室まで

三月、ふと思い立ち東北へ行った。初日は新幹線で一関まで行き、電車やらBRTやらを乗り継いで、陸前高田の「奇跡の一本松」を観た。低い土地はおおかたすべて流されてしまったか破壊され片付けられてしまったのだろう、陸前高田の役所のあたりから下って…

人は死ぬ/なかなか死なないことと向き合う

何か創作のヒントがないかと、古いメモを見返していたら、高校時代に構想した小説のプロットが出てきた。その小説では、少女が白血病で死ぬことになっていて、笑ってしまった。もう、白血病で若い子は殺せない。 人は病に殺され続けてきた。もちろん今でも人…

川越祭り

2015-10-21 2015年10月18日 川越祭り 仕事の帰りにふらっと。子供や若者やカップルや夫婦たちが大勢はしゃいでいて、スーツを着ていたのもあって居心地が悪かったのだけれども、ふらふら漂っているうちに楽しくなってきた。日々都心へと出かけていくので地元…

熱海、京都、明石旅行記

夏休み、寂しかったです。寂しかったので友人と二人で青春18きっぷ片手に旅行に行きました。辛かった。青春18きっぷで遠距離に行くのはやめた方が良いなと思いました。新幹線はとても快適です。 鈍行の旅があまりに辛く早くも途中下車したのが熱海。ここまで…

東日本大震災に際してメモ

画面の向こうの死を見つめながら僕は温かい夕食を食べる 恐いねと言葉を交わしながら僕は手元の娯楽小説をめくる スピーカーから溢れる涙を僕は聴いて、それから眠る 苦しみとは相対的なものだ。僕の苦しみはあなたにとって気にもならない些細なものかもしれ…

祖父の死に関する覚書

投稿の割合が減っているのは良い傾向ですね。なんせ受験生なので。勉強しなければなりません。しかし、ここ数日の感情を忘れたくなく、書いておきます(五月十九日)。 ここ数日は非常に心地よい天気が続いておりましたが、本日は雨が降りましたね。実は父方の…

修学旅行 to 関西

行ったら風邪ひいたよ……死ぬ……写真とか撮ったり日本人の宗教観について思いを巡らせたりいろいろしたのに、風邪ひいちゃって長文書けないよ……というわけで携帯から軽く投稿します。ゴホッ。 写真とかFlickrにアップしたんですけど、ブログに貼る体力ないので…

15分では観られない川越がある

朝の連続テレビ小説「つばさ」で一瞬盛り上がった我が地元埼玉は川越市。地元と言ってもめちゃくちゃ郊外に住んでいるのでなかなか観て回る機会というものがなかったのですが、デジカメを買ってみたことですので、今日一通り観光してみました。独りで。観光…