落書きに泣く――『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』

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私たちは、この点と線に共感できる。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』、お子様と親子に囲まれて見てきた。普通に泣けたし、周りの子や親が泣いているということ、人間が絵やぬいぐるみに共感して優しさを、愛を差し出せるということに泣けた。

ネタバレをしてしまえば、絵本の世界に入った「すみっコたち」が、絵本に描かれたキャラクターたちと交流し、その中に白紙のページにポツンと「落書き」されたキャラクターがいて、そのキャラクターを絵本の外に連れ出そうとするが、絵本の外に絵本に描かれたキャラクターは出られない。その「落書き」の孤独に涙した「すみっコたち」は、その白紙のページに家や仲間たちを描く……というようなストーリー。

この映画の「落書き」に共感して優しさや愛を差し出す「すみっコたち」の在り方と、「すみっコたち」に共感して優しさや愛を差し出す(最近は「すみっコ」を発見して世話をするゲームもあるらしい。欲しい)ことのできる私たちの在り方が重なるという意味でメタ的な構造をもった映画であったわけだ。作中では「マッチ売りの少女」「人魚姫」「赤ずきん」等々、幼い頃に読んだ物語が引用されていたが、今思えば、あれらの悲惨な物語もまた、子供たちの共感能力を育み得るものであろう。人間は奇妙にも、子供にキャラクターへの共感を期待するようである。

私が泣いたのはそこであった。

さらに言えば、すみっコぐらしのキャラクターはそもそも「落書き」から生まれている(「すみっコぐらし原点は落書き かわいそうなかわいさ共感」)。
制作の裏話を知っている私たち「すみっコぐらし」ファンには、その二重性もまた泣けた。

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ

  • 発売日: 2020/03/26
  • メディア: Prime Video
 

男子は友人を知らない——米澤穂信『本と鍵の季節』

本と鍵の季節 (集英社文芸単行本)

本と鍵の季節 (集英社文芸単行本)

 

 女子どうしの友情と比べると、男子どうしの友情は淡泊なものに見える。身体的接触は少なく、余程のことがなければ贈り物なんてしないし、電話で雑談なんてしないし、たとえ親友であったとしても、年に数回会えば十分だと感じていたりする。そして、友人について知っていることは、かなり限られている。


 『本と鍵の季節』はいわゆるミステリーだが、読んでいればなんとなく答えを察することのできる謎ばかり、「探偵」による解明もあっさりで、解き甲斐のある大きな謎が出てくるわけではない(ミステリー読者にとって解き甲斐のある謎というものがどういうものなのか、私にはわからないのだが……)。主題はむしろ、男子どうしの、一見淡泊なその友情にある。主人公は図書委員である二人の高校生男子だが、クラスの違う二人が図書室で会うのは週に一度。外で会うのは用事のある時や謎を解明するのに必要な時だけで、遊びに行ったというような描写はない。
 しかし、では、二人は仲が悪いのだろうか。男子たる私には、そうではないと言い切れる。むしろ、信頼し合い、友情を疑うべくもなくなって初めて、淡泊な付き合いをし続けられるようになるのだ。自分の知らない一面をまざまざと見せつけられようとも、友達であり続けられるようになるのだ、と二人の男子高校生の物語に、再認識させられた。

中学生が一人で国語を学ぶための本

不登校歴の長い中学生に、一人で勉強するための問題集がほしいと言われ、仕事の帰りに書店で探した。漢字なんかは東京ベーシックなどインターネット上にある教材で十分に自習できる。その子のレベルに合わせて、その子でも読めそうな説明・解説のついた、文章読解問題の載っている本。大事なのは一人で続けられることであって、できれば国語や読書に興味をもてるようなものが良い。

 

①『やさしくわかりやすい中学国語
初めの方のレベルは程よいが、終わりの方は受験テクニックじみてきて、難しい。文章読解に関してはバランスがよい。ただ、問題を解く前に考え方や知識事項を伝えるための説明が、やや難しく(国語がある程度できる子であれば、十分読めるのかもしれないが)、補助が必要になるように感じた。

 

中学生のための人気作品で学ぶやさしい文章読解
「人気作品」とは小高学年〜中高生くらいの読む小説のことで、評論文がないのが残念なのだが、レベルは程よい。また問題を解くためのヒントがあったり、解説が話し言葉であったり、抵抗感を減らす工夫もよい。なにより、何かグッとくる小説の一場面があったりすれば、読書に興味をもてるかもしれない。漫画も載ってる。表紙もかわいい。というわけで、その子にはこの本を薦めた。

 

やさしくまるごと中学国語
詳しい。文法事項から文章読解までおさえていて、良さそうな本ではあった。見ていないがYouTubeで解説動画を見ることもできるらしい。しかし、いきなり文法なので、その子がやる気をもって取り組むには厳しいと感じた。分厚さも、抵抗感を抱かせそうな気がし、この本を紹介するのはやめた。

 

しかし思うのは、①や②のような本の解説でも、勉強経験の積み重ねられていない子にとっては、一人で理解するには難解すぎるのではないか、ということである。書いてあることを、私がゆっくり噛み砕いて話せば、あるいは伝わるのではないかという気はするが、一人では、単語の羅列にしか見えないのではないか? 文章や、映像でも、一方的な伝達では学ぶことのできない段階の子供たち、それも義務教育を終えるような年齢で、そういった段階の子供たちと、対話をする大人がいるということの大事さである。

近況/書くことについて

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とにかく金がなく「New arrivals」も何もあったものではない。そして精神状態が悪くろくに本も読めない。積読から読める本を探し出し読んでは投げる日々である。

積読から『プレーンソング』を読んだ。金に余裕のある社会人と金のない学生ではない二十代の青春。学生の青春がきつくなってきた僕には良かった。積読から「春昼」を読んだ。読めない。しかし泉鏡花の偉大さはわかる。積読から村田喜代子名文を書かない文章講座』を読み始めた。最近は一月に修論、三月に小説を一つ書き上げた以外には何も書けず(インプットが少ないというのも大きいが)読んでもやはり書けそうにないのだが、しかし最初の数ページを読んだだけでこうしてブログ記事を書いているのだから効果があったと言うべきか。

そういえば村田の本もそうだが、ここ一、二ヶ月は書くことについての本を続けて読んでいて、ほとんど読み直しなのだが、高橋源一郎一億三千万人のための小説教室保坂和志書きあぐねている人のための小説入門宮原昭夫書く人はここで躓く!村上春樹職業としての小説家レイモンド・カーヴァー「書くことについて」(『ファイアズ(炎)』所収)スティーヴン・キング書くことについて』などを読んだ。

いつか書くことについて書く人々がどう書いているかまとめてみたいものだが、響くのは保坂、春樹、キングの本で、共通するのは一日何時間何枚書くかを明確に示しているところである。書き方とは、つまるところ一日何時間何枚書くかに尽きる。しかし三月に一作書き上げたのは高橋の本のおかげだったかもしれない。高橋の本もなかなか抽象的なのだが、なぜか書いてみようという気にさせる。『一億三千万人のための小説教室』は高橋の小説よりも好きな本となった。

春樹とキングの本は自叙伝めいたところがあり作家のファンとしても楽しめる。小説を書くことについては、高橋と保坂の本が良い。この二冊に共通するのは、抽象的であることだ。宮原の本や他のハウツー本には具体的なテクニック(キャラクターについて、ストーリーについて)が書かれていたりするのだが、そういうものはあまり役に立たない(小説を書きたい人間は、実践できるかはさておき、それくらいのことは知ってしまっている)。カーヴァーの「書くことについて」は短いエッセイだが、作家についての名文があるので引用しておく。

たとえ阿呆のように見えるとしても、作家というものはときにはぼうっと立ちすくんで何かに——それは夕日かもしれないし、あるいは古靴かもしれない——見とれることができるようでなくてはならない。

アースシーの魔法=哲学と物語——『ゲド戦記』

 

作家アーシュラ・K・ル=グウィンは『ゲド戦記外伝』の「まえがき」でこう語っている。

まったく実在したことのない、つまり一から十まで完全に虚構の世界を構築、あるいは再構築するときは、そのための調査研究は実在の世界のそれとは順序がいくぶんかちがう。けれど根底にある衝動や基本的な技法に大差はない。まず、どんなことが起こるか、見る。そして、なぜ起こるのか、考える。その世界の住人がこちらにむかって話すことに耳をかたむけ、彼らが何をするか、観察する。次にそれについて真剣に考え、誠実にそれを語ろうと努める。そうすれば物語はちゃんと重力を持ち、読む者を納得させるものになっていく。

ファンタジーの古典的傑作を三つ挙げるとすれば、出版順に、『指輪物語』、『ナルニア国物語』、そして『ゲド戦記』であるとよく言われる。『オズの魔法使い』が入ったり、最近では『ハリー・ポッター』がもはや古典と呼ぶべき作品となっているが、『ゲド戦記』は例えばその『ハリー・ポッター』の世界観にも大きな影響を与えている。そのような意味で『ゲド戦記』は間違いなく古典的であるのだが、その古典的凄みはやはり、その強靱な哲学の構築(調査研究)と、それを基盤とする強靱な物語から来ている。

ゲド戦記』と、邦題(原題は『Earthsea』(アースシー)で、物語の舞台である世界の名でもあり、その海と多くの島々からなる世界にふさわしい名だ)にその名を冠しているゲドは、比類なき力を持った魔法使い(大賢人)として設定されており、主人公として、あるいは重要な補助役として活躍するのだが、しかしその力には限界がある。そして、『影との戦い』から『さいはての島へ』に至るまで、協力者にめぐりあうことで、どうにか危機を脱するのである。協力を得、危機を克服するという、よくある・あるいはできすぎた物語だと言えばそのとおりなのだが、しかし、このような物語は、『ゲド戦記』においては哲学でもある。体系的な哲学に従っているからこそ、『ゲド戦記』の物語はできすぎているのだ。

ゲド戦記』の哲学は魔法や竜について語られることによって語られる。「古のことば」や「神聖文字」といわれる、特別な言語によって発動する魔法は、どこか世界のプログラミング言語を思わせSF的でさえあるのだが(実際にル=グウィンはSFにも傑作を残した)、そこでは、光と影、生と死、ことばと静寂といった二項対立と、その均衡、あるいは弁証法が大きく作用している。『ゲド戦記』の世界アースシーにおける魔法は何でもできる力などではなく、様々な二項対立の均衡の中で、特別なことばによって行われる。言い換えれば、均衡を破ることも、そのことばを超えたこともできない。そうした魔法である。

その在り方は、二項対立とともに発展してきた哲学の組み立てにも似ているように思う。そしてそうした魔法を基盤に展開される物語は、哲学の展開にも似ている。それが定番の物語に帰着するのは、哲学が弁証法的に進んでいくかのようだ。つまり、アースシーにおける魔法=哲学に従って物語が展開されるからこそ、物語にはあるべきところにあるべきものが、いるべきところにいるべき者が配置され、なされるべきことがなされるのだ。『影との戦い』から『さいはての島へ』までに繰り広げられた二項対立と弁証法の哲学は、『帰還』以降ではフェミニズム批評、脱構築批評にさらされもするが、それさえ魔法=哲学体系の強化に過ぎない。『A Wizard of Earthsea』(『影との戦い』)の冒頭に付された詩は、こうした二項対立を基とする魔法=哲学体系を簡潔に表現したものであると言えるだろう。

Only in silence the word,
only in dark the light,
only in dying life:
bright the hawks's flight
on the empty sky.
——The Creation of Ea

ゲド戦記』の魅力はその強靱さにある。『影との戦い』から一貫して、その強靱さが傷つけられることはなく、むしろ強められていく。ル=グウィンの語るように、こうした確固たる体系を構築し、「調査研究」された上で物語られることこそ、ファンタジーの傑作の条件であり、古典の条件だろう。

※2018年1月22日、この偉大な作家アーシュラ・K・ル=グウィンの死。その前後、僕は不思議と(というか、ジブリ映画のテレビ放映の話を耳にしたからだろうが)『ゲド戦記』を読んでいた。『ゲド戦記』の緻密に構築された哲学体系には生と死の厳しい二項対立があり、「影との戦い」から明示的に、隠喩的に、繰り返し物語られるものの一つに、その止揚/あるいは脱構築がある。作家の死の前後に『ゲド戦記』を読んでいたことは、作中で魔法使いらが偉大な賢人の死を察知するように、何か偉大な作家/作品の魔術的な力がそうさせたのではないかと、つい考えてしまった。

情報は一冊のノートにまとめるべきか?——『情報は一冊のノートにまとめなさい』


奥野宣之『情報は1冊のノートにまとめなさい』

内容
 主張はわかりやすい。あらゆる情報は、一冊のノートにまとめられるべきだというものである。デジタル関係の話はやや古いが、Evernote等、デジタル手帳がかなり使えるレベルになっている昨今、ある部分では、かつて以上に著者の主張は説得力を持つだろう。しかし同時に、ある部分では、デジタル手帳の進歩が、もっと良い情報管理方法を示しているようにも思う。もはや万人にそのまま使える内容ではなくなってしまっているかもしれないが、しかしノート類の使い方について思考を促すという意味で、良書である。

一冊にまとめられたノートは使える/使えない
 一冊にまとめられたノートは確かに、「必ずある」という点で有用である。ノートを使い分けると、どこに書けばいいのかわからない、分類できない情報が出てくる。これは『「超」整理法』にも通じる当然の話である。デジタル手帳類(Google keep、Evernote、Day One、Workflowyなど)を使えば、紙のノートと比べると何でも書ける(描ける)という点で劣るようにはなるが、検索性にも優れたデータベースとなる。

 しかし、問題もある。一冊のノートにすべてをまとめてしまうと、参照まで時間がかかるのだ。いくら検索可能性が高くとも、例えば一月後のToDoを検索して探すような時間は、明らかに無駄だ。

 やはり、最低限の使い分けは必要であるというのが、読者である私の結論である。例えば私は、よく参照する情報と、いつか参照する情報で、情報を大きく二つに分類している。この程度の分類でも、どちらに振るべきか悩ましい情報は生じてしまうのだが、一応なんとかやっていけている。

 例えば、よく参照する情報として、ToDoやスケジュールがあるが、これは、筆者はToDo管理アプリと月間手帳・デイリー手帳を用いて管理している。スケジュールにも種類があるが、確実に時間の決まっているものは手帳に書き込み、そうでないものはToDo管理アプリに入力して定期的にリマインドさせるようにしている。私はなるべくアナログで済ましたい人間なのだが、リマインド機能だけは、アナログにやろうとすると手間がかかり(例えば43Tabか?)、デジタルに頼っている。

 また、いつか参照する情報には、日記、アイデア、思考、本や映画や様々な出来事の感想などがある。筆者は、日記だけは日記帳に書いているが、その他の情報はすべて、最終的にはEvernoteにまとめている。アイデアや思考、感想などというものは書き留めていくと際限がなく、高い検索可能性がどうしても必要となるからだ。

一冊のノートをどう使うか
 しかし、一冊のノートにまとめるという主張は、やはり説得力がある。デジタルであれアナログであれ、何でも書ける一冊を持っておくことは、やはり意味があると思う。

 実際私も、トラベラーズノートのパスポートサイズ(B7)を「なんでもノート」とし、まさしく何でも、そこに書くことができるようにしている。そして、先に書いたように、よく参照する情報だと判断されればしかるべき場所に転記し、チェックマークをつける。いつか参照する情報も、入力するか写真に撮るかしてEvernoteに転記し、チェックマークをつける。そして、書いてはみたものの参照しないであろう情報はそのままにしておく。最終的にはほとんどすべての情報が転記されるわけで、では不要かというと、どこに書くか悩む時間を考えれば、やはりこのようなノートを持っておくことは、有用だろうGTDに「インボックス」という考え方があるが、一冊のノートは、この「インボックス」の役割にぴったりなのである。

 また、私はアナログの「なんでもノート」や手帳を使っているが、スマートフォンですべてを済ませることのできる時代でもある。物にこだわってしまうのは私の悪癖だが、究極的には、最も無駄を省いた形は、すべてをスマートフォンで済ませる、その環境を整えることかもしれない。

塾講師が勧める学習法まとめ:高校国語古文編

はじめに
→古典学習について過去に書いた文章
理論上、古文常識、古文単語、(敬語)、文法の順に土台となる。その上で主語を見破る力を身につければ古文は読める。が、音読や通釈など、学校でやるような地道な学習による古文慣れも、間違いなく影響する。
古文常識は学校の先生が話してくれればそれで良いが、参考書で学習する場合は、世界観をなんとなく理解するつもりで、あっさり済ませればいい。古文単語は参考書が必須だが、後に挙げる『マドンナ古文単語230』一冊でも足り、英語ほど大変ではない。難しいのは文法、特に助動詞で、しっかり参考書をやらないとなかなか身につかない。逆に助動詞までマスターすれば、古文は得点源になる。

参考書レビュー
●古文常識
・『シグマ新国語便覧』★★★
国語に関する知識事項は大抵載っており持っておきたい参考書だが、古典常識に関しても大変充実している。

・『古文の読解』★★
文学研究者の書いた参考書。古文の世界観や語句の深みを学べる。参考書として使うというより、読み物として通読するのがおすすめ。

・『源氏でわかる古典常識』★
筆者には役に立たなかったが、余程古文常識に自信がないかつ時間をかけず勉強したいならこれが定番。

●古文単語
・『日々古文単語帳365』★★★
情報量が十分であるだけでなく練習問題も付いており大変良い。もちろん一日一語というわけにはいかないが、30語程度を一区切りに12回で1周できる。

・『マドンナ古文単語230』★★
230語というと少なく感じるが(実際難関には足りないのだが)、まずはこの一冊をしっかり読み、基本的な語彙を身につけたい。付属の暗記カードは便利だろうが練習問題等がないので定着の確認は難しい。中堅大学までならこの一冊で十分。

・『古文単語ゴロ565』★★
ふざけた参考書のように見えるが意外と良くできていてなかなか頭に残る。特に古文に興味がない受験生には大変おすすめ。

・『読み解き古文単語』★★
古文を読みながら単語を学ぶという英語でいう『速読英単語』のようなものだが、ある程度文法の知識がないとなかなか読み進められず、難しい。学べる語数は多い。難関受験生向け。

・『速読古文単語
・『読んで見て覚える重要古文単語315
未チェック。

●文法参考書
・『古文上達 基礎編 読解と演習45』★★★
かなり良い。文法の基礎を学び、実戦問題で確認することができる。

・『古典文法10題ドリル 古文基礎編
・『古典文法10題ドリル 古文実戦編』★★★
基礎固めに。筆者はこれが最も気に入ったが、類似の参考書に『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』『基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル』があり、どれも内容に大差なく基礎固めなので本屋で見て好きなものを使えば良い。

・『古文解釈の方法』★★★
やや難しい話も含まれるが、入門から難関入試まで使える一冊。難関を狙うなら通読、そうでないなら参考書として必要なところを読む。かなりおすすめで、これを読みこなせれば他に文法の学習をする必要もない。これを易しめにしたものに『古文解釈はじめの一歩―文法から解釈へ』がある。

・『読解古典文法 解法ルール36』★★
識別など、塾で教わりそうな入試対策的テクニックの載った参考書。最低限の文法を理解してから読めば役に立つ。

・『古文インプット52―文法・和歌の修辞・演習
・『「君の名は。」で古文・和歌の読み方が面白いほどわかる本
未チェックだが立ち読みした限り良さそう。

●実戦問題集
・『中堅私大古文演習』★★
標準的・実戦的な内容で、中堅私大受験生に限らず文法まで学んだ後の手始めに解くのにちょうど良い。

・『古文解釈の実践 Ⅰ』『古文解釈の実践 Ⅱ』★★
なかなか難しい。国立難関大を狙うなら『古文解釈の方法』を読みつつこなしたい。

●講読
・『理解しやすい古文』★★★
学校で読む古文はだいたいこれで学習できる。独学者の一冊目にもおすすめ。

・『解説 徒然草
・『解説 百人一首』★★
灘校の国語教諭・橋本治氏の講読本。古典に興味が出てきた、あるいは興味を持てない人におすすめ。