文学

桜庭一樹と鴻巣友季子のすれ違いについて思ったこと

この記事でご紹介いただいたのですが、わたしの原稿に〝介護中の虐待〟は書かれておらず、またそのような事実もありません。わたしの書き方がわかりづらかったのかもしれず、その場合は申しわけありません。影響の大きな媒体であり、とても心配です。否定さ…

近況/書くことについて

とにかく金がなく「New arrivals」も何もあったものではない。そして精神状態が悪くろくに本も読めない。積読から読める本を探し出し読んでは投げる日々である。 積読から『プレーンソング』を読んだ。金に余裕のある社会人と金のない学生ではない二十代の青…

「遺言」について

学生だった頃、講義で提出したレポート。ひどいものだ……。 --- 文芸評論家・井口時男は、鮎川信夫「死んだ男」の書き出しを引用しつつ、戦争文学について以下のように述べる。 生き延びた者が死者によって問いつめられる。生き延びた者は,問いつめる死者へ…

文学に入門するための本

間違えて文学部に入ってしまう、という事態は実は往々にしてあり得る。文学部にしか通らなかった、国語が好きだから、数学が嫌いだからーーそんな「だから」は、実はありふれているのではないか? そうした、間違えて文学部に入ってしまった人に、そして、間…

フェミニストSFについて 『女性状無意識』『闇の左手』『マージナル』

1 フェミニストSFについて 文学とジェンダー/セクシュアリティの関わりを考える上で、フェミニストSFという小さな、しかし数多くの問題作を抱えた一つのジャンルを無視することはできないだろう。そもそも文学とは、文学批評家テリー・イーグルトンによれ…

歌詞をどのように論じるか——『Jポップの日本語 歌詞論』

Jポップの日本語―歌詞論 作者:見崎 鉄 メディア: 単行本 歌詞はどのように語るべきなのだろうか? 通常、Jポップについて語ったものは「音楽批評」と呼ばれることになる。音楽批評の領域にはCDにつくライナーノーツや音楽誌に載るレビューなどがあるが、さら…

批評とはなにか——高橋敏夫『絶滅以後』

絶滅以後―閉じられてゆくステージで 作者:高橋 敏夫 発売日: 1997/05/01 メディア: 単行本 「批評とはなにか。」いまとここを嫌悪の主体による。いまとここを保守する者に批評はありえない。いまとここは変更可能である。にもかかわらず、単一性と固定制を人…