2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

快快「6畳間ソーキュート社会」

快快「6畳間ソーキュート社会」@トーキョーワンダーサイト渋谷 テクノロジーの時代における、演劇という芸術の、そして快快の、プリミティブな魅力。生活を肯定する、優しさに溢れた劇団、演劇。 会場の空間に入ると、中心に畳が六畳敷いてあり、その上には…

小劇場に行くための本

今、演劇が熱い、と演劇に関わる人間が最近よく口にしているのですが、決して内輪だけの熱さではないと私も感じております。演劇に関しては、劇団四季とかシェイクスピアとかといった大物のイメージを持たれている方の多い気がしますが、しかし、今、熱いと…

綿矢りさ『蹴りたい背中』は二度蹴られる。

蹴りたい背中 (河出文庫) 作者:綿矢 りさ 発売日: 2007/04/05 メディア: ペーパーバック 蹴りたい背中は二度蹴られる。一度目は嫌悪感からであった。では、二度目は……? さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから…

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『ゴミ、都市そして死』

ゴミ、都市そして死 (ドイツ現代戯曲選30 第25巻) 作者:ライナー・ヴェルナー ファスビンダー 発売日: 2006/12/01 メディア: 単行本 舞台は「月面上、というのも月は地球のとりわけ都市部と同じく人の住めないところだから。」。人の住めないところたる都市…

ポーリーヌ・レアージュ『完訳 Oの物語』高遠弘美訳

完訳Oの物語 作者:ポーリーヌ・レアージュ 発売日: 2009/07/01 メディア: 単行本 澁澤龍彦訳のファンたちによる本書へのレビューを見ていると、彼らがいかに、『O嬢の物語』の幻想を消費していたかが見えてくる。その幻想は時に、この高遠弘美による『完訳』…

演劇は現実を変えられない――東京デスロック『シンポジウム』

東京デスロック『シンポジウム』について。レポートとして提出したりしたものの改稿です。 東京デスロック『シンポジウム』について考える前に、彼らが今年の一月に行った『東京ノート』の公演を思い出さなければならない。 平田オリザの戯曲『東京ノート』…