羽海野チカ『ハチミツとクローバー』

恋をすると女の子はキレイになるっていうけれど
ダメだな男は――――カッコ悪くなるばかり………

2巻の真山のセリフ。いやはや、ここまで男のリアルに即した言葉に少女漫画で出会うとは。うーん、確かに、好きな、というかある程度綺麗な女性の前だとアホになります。そういうのを克服して初めて真の男になれるんじゃないか、いろんな意味で、と勝手に考えてます。

地の文というか、登場人物の感情を書いた文章が詩的で美しく、漫画自体の表現の仕方も映像的であり、小説と映画の良いとこ取りといった感じがする。漫画の利点をきっちり使っている。

最後の数ページ、まさに全10巻のまとめにふさわしいラストのくだり、特にすごいことが起こるわけでもないのに、うるんでしまいました。

青春を眩しさを改めて感じさせられた。少女漫画の枠におさめてほしくない、恋をしたことのある人、特につらい恋を経験したすべての男女に勧めたい青春の群像劇。しかし、少女漫画って僕の好きなカップリングが成立しないんですよね。山田と真山はくっつくべきだっただろ……とネタバレ。

とteensの私が申しております。ちなみに僕は片想い5年目、あ、ストーカーとは少し違いますよ! ああ、甘い近頃の若者らしい青春がしたかった……男子校ってなんだよ……いや、しかし、青春の本番はきっと大学だ! 頑張るぞ!